猫を迎えたばかりの飼い主さんにとって、トイレトレーニングは最初の大きな課題の一つです。しかし、猫は本能的に砂のある場所で排泄する習性があるため、正しい方法で行えば比較的簡単にマスターできます15。この記事では、トイレトレーニングを成功させるための具体的な方法と、よくある失敗例とその対策について詳しく解説します。
猫のトイレトレーニングが比較的簡単な理由
猫のトイレトレーニングは、犬と比べて比較的簡単だと言われています5。これは猫が砂場に排泄する習性を持っているためで、猫用のトイレさえ用意できればトイレトレーニングは成功しやすくなります5。
猫は本能的に排泄物を砂に埋める習性があり、この自然な行動を活用することで、スムーズなトイレトレーニングが可能になります。また、猫は非常に清潔好きな動物であるため、適切な環境を整えてあげれば、自然とトイレを覚えてくれるのです。
トイレトレーニング成功の基本ステップ
ステップ1:トイレの定位置を決める
トイレトレーニングの第一歩は、トイレの定位置を決めることです3。トイレを決まった位置に置くことで、落ち着いて排泄できる環境が整います3。新たにお迎えした子猫の場合、はじめはケージやサークルに入れて、その中で落ち着けそうな場所にトイレを用意すると良いでしょう3。
理想的なトイレの設置場所:
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人通りが少なく静かな場所
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愛猫のお気に入りの場所の近く
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食事場所や寝床から適度に離れた場所
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猫がアプローチしやすい場所
ステップ2:トイレの環境を整える
清潔で快適なトイレだと、猫も安心して使うことができます3。まずは、ここがトイレだと認識できるように、決まった素材(新聞紙やペットシーツ、猫砂など)を敷いておきましょう3。
はじめのうちは、ケージやサークル全体に新聞紙やペットシーツを敷き詰めておき、ここで排泄するのだということを覚えさせると良いでしょう3。また、素材に自分の排泄物のにおいがついていると、覚えやすくなります3。
ステップ3:トイレサインを見逃さない
猫のトイレサインを見極めて、トイレに連れて行くことを繰り返します1。ソワソワしたり床のにおいを嗅いだりしたらトイレに行きたいという合図なので、そっとトイレに入れて静かに待ちましょう1。
主なトイレサイン:
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あちこちにおいをかぐ
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落ち着かないそぶりを見せる
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そわそわと歩き回る
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床をカリカリする(猫特有の行動)
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腰を下げる姿勢を見せる
慣れない間は、2~3時間おきに連れて行くのもおすすめです1。寝起きや食後などの排泄しやすいタイミングでトイレに運んであげてもいいでしょう1。
ステップ4:成功したらすぐに褒める
きちんとトイレで排泄できたら、たくさん褒めてあげることも忘れてはいけません1。「ここでおしっこをすると褒めてもらえる、嬉しい!」と感じ、自然とトイレの場所を覚えてくれます1。
ただし、子猫は子犬と違い大きな声で褒めるとビックリしてしまうため、排泄が終わるまで声をかけずに見守り、終わったら優しく声をかけて褒めましょう4。褒めることやご褒美を与えることを後回しにすると、子猫はなぜ褒められたのか理解できないため、トイレが上手にできたらすぐに褒めることがポイントです4。
トイレ選びのポイント
トイレの形状選択
猫用のトイレは主に2つの形があります5。屋根がついたドーム型のものか屋根がないオープンタイプのものです5。屋根付きのタイプが落ち着くという子もいますが、逆に屋根があると圧迫感を感じてトイレをしない子もいるので、飼い主さんがうまく選んであげてください5。
猫砂の選択
猫砂も主に紙製タイプと木製タイプがあります5。愛猫の好みに合った組み合わせをチョイスしてトイレを作ってあげましょう5。最初は猫砂とセットのスターターキットが販売されていますので、初めて猫を飼う方はセットでの購入が無難です5。
よくある失敗例と対策
失敗例1:トイレ以外の場所での排泄
原因:おしっこのにおいがトイレ以外の場所に染みついていると、そこをトイレと勘違いする可能性があります4。
対策:トイレを失敗した場所は念入りに掃除しましょう4。また、タオルやカーペット、マットなどの吸水性の素材は子猫がトイレを失敗しやすいポイントなので、トレーニング中は片付けておくのがおすすめです4。
失敗例2:食事場所や寝床の近くでの排泄拒否
原因:犬や猫はとてもきれい好きな動物なので、食事する場所や寝床とトイレが近いと嫌がるためです4。
対策:食事する場所と寝床の場所はできるだけトイレと離して設置するようにしましょう4。衛生面からキッチンの近くには設置しないようにしましょう5。
失敗例3:人通りの多い場所での排泄拒否
原因:人通りが多く落ち着かない場所では排泄を我慢してしまうことがあります4。
対策:トイレは人があまり通らない、静かな場所に設置しましょう4。トイレは人通りの多い部屋の出入り口や玄関などには設置せずに愛猫の寝床の近くがもっともベストです5。

失敗例4:失敗時に叱ってしまう
原因:トイレを失敗してしまったときに叱ってしまうと、排泄そのものを叱られたと誤解し、飼い主様に隠れて排泄するようになる可能性があります4。
対策:トイレを失敗してしまったときは叱らず、静かに掃除をするようにしましょう4。大切なことは愛猫がトイレを失敗してしまっても怒らないことです5。素早く粗相してしまった箇所を掃除して消臭スプレーをかけます5。
失敗例5:トイレの清潔さを保てていない
原因:汚れたトイレを使うのを嫌がって他の場所で排泄してしまうことがあります4。
対策:排泄ごとにペットシーツを取り替えたり、猫砂を掃除したりするなど、トイレをきれいに保つことも大切です4。もちろん、トイレ後は排泄物を残さず、トイレを清潔に保ちましょう3。
失敗例6:トイレの形や砂が気に入らない
原因:猫はトイレの形や砂にこだわりをもつことが多く、気に入らないと排泄しない場合もあります4。
対策:トイレの形や砂の種類を変えてみて、お気に入りのものを探してみましょう4。もし、トイレを失敗してしまう時には砂の素材や飼育環境を見直してください5。
多頭飼いでの注意点
猫ちゃんを多頭飼いしている方は多いかと思いますが、猫ちゃんがたくさんいる場合にはトイレは複数設置してあげるのが無難です5。力関係からトイレ周辺を縄張りにしている猫がいて近づけなくてトイレに行けないという場合も考えられます5。
トイレができないことは愛猫に大きなストレスを与えますし、ケンカの原因にもなりやすいです5。また、複数設置することで掃除も分散して行うことができるので、用意する手間がありますが後々管理しやすくなります5。トイレは猫ちゃんがリラックスできるスペースですので、できれば頭数分、少なくても2個以上設置してあげるのが理想的です5。
トレーニング期間と心構え
愛猫がトイレを認識できれば2、3日でトイレをマスターしてくれるでしょう5。トイレトレーニングはすぐに成功するものではなく、日々の積み重ねによってできるようになるものです4。
怒っても猫ちゃんは理解しづらく、嫌な印象が残るだけでトイレそのものにストレスを感じて逆に失敗する原因にもなります5。トイレを我慢することは泌尿器系の病気の原因にもなります5。愛猫が気持ちよくトイレができるように静かな環境にトイレを設置しましょう5。
もし、トイレのしつけが難しい場合は飼い主様1人で抱え込まず、動物病院に相談したり、しつけ教室を利用したりしてみてください4。
猫のトイレトレーニングは、適切な環境作りと根気強い観察が成功の鍵となります。猫の習性を理解し、失敗を恐れずに取り組むことで、必ず成功につながるでしょう。愛猫との快適な生活のために、ぜひこれらのポイントを参考にしてください。
引用:
- https://www.aeonpet.com/topics/pet-column_019.html
- https://www.hs-gac.jp/info/whatsnew/dog-cat-toilet-training/
- https://www.fpc-pet.co.jp/cat/life/21
- https://baba-ah.com/allnews/%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0/177/
- https://withpety.com/withpetyclub/detail.php?kid=1951
- https://virbac-services.jp/pet-qa/cat-toilet-training
- https://www.oyama-rah.com/blog/364
- https://www.elleair.jp/kimiomoi/article/useful/202989/
- https://nyantomo.com/lp/toilet/
- https://www.petfamilyins.co.jp/pns/article/pfs202109b/

